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  No.6  1998.6

●主な内容

  1. 6月のアルプに (寄稿・桜井あけみ)
  2. 一年間の出来事 1997.6〜1998.6
  3. 6周年を迎えて (北のアルプ美術館館長 山崎 猛)
  4. 御寄贈ありがとうございました
  5. 今年は館内にてコンサート開催
  6. 「西常雄彫刻常設展示室」設置しました
  7. 「串田孫一集」 <筑摩書房刊>
  8. 美術館北側に新駐車場完成しました
  9. 感想文集
  10. ご協力お願いします
  11. 入館者の記録・編集後記

6月のアルプに

縁の風が爽やかなこの季節。この土地に住む私たちにとっても大好きな季節に理屈や解説の必要などない時間が共有できた・・そんな満足感でいっぱいになった昨年の「アルプの夕べ」のコンサートでした。
細川さんの「木の音」を奏でたフルート
山崎さんの「風の音」を奏でたハープ
「何が良かったの?」「どんな曲だったの?」「演奏は?」ちがう、ちがうそんな事ではなく「想い」で心を充たされた時間でした。心地よい旋律から感じた、調和のとれた充実感。それぞれの人が、それぞれの心の中で共鳴した音楽。

「あ・・・これがアルプ」

そんな嬉しい時間が、また「アルプ」で再現できるのは、きっと「アルプ」の魅力に惹かれた細川さんと山崎さんのおかげです。

私にとっては、嬉しい6月。私の誕生日も6月。結婚記念日も6月。ここ知床に「北のアルプ美術館」ができたのも6月。それ以上に、大好きで憧れ続けた「アルプ」がその心を新たに伝え始めた事が嬉しい6月。
何度も何度も通うわけではないけれど、あそこに行けばきっとある・・そんな想いがいつも変わらずに心の中にあって、ちょっとしか知らない人にも「アルプをご存じ?」と問いかけて「知ってます。良いですね。あそこは・・」なんて云われると不思議なもので、その人との間に流れる時間が、たちまち自分と調和する。

串田孫一氏のおっしゃった「緑の椅子」がどんな人の心にもちゃんとあるじゃないか、そう思えるほど心がゆったりと優しくなれる。
私にとっての「アルプ」(北のアルプ美術館)はパートナーの夫の次に、私を素直にしてくれる大切な存在なのです。
楽しかったり、疲れたり、寂しかったり、怒ったり・・・そんな心のお相手に、どうぞ「アルプ」を召し上がれ。

1998.6月に  桜井あけみ

 

昨年のコンサート風景

一年間の出来事   1997.6〜1998.6

1997. 6.18 「西常雄彫刻常設展示室」を設置、公開
   7.12 「フルートとハープによるアルプの夕べ−木の響き−」
      コンサート開催(斜里町立交流記念館中央ホールにて)
   7.25 オホーツク地方にも猛暑、斜里でも33℃(今夏最高気温)
   9.22 小清水・涛沸湖にオオハクチョウ第一陣飛来
   10. 1 「辻まこと・山の画」
      「畦地梅太郎・山の版画」/小展示開催
      一原有徳「アルプ」原稿・原画展示
   10. 6 斜里岳初冠雪(平年より4日早く)
   11. 9 大高慶子様より届いたアサマフウロウの苗
      アルプの林へ移植

1998. 1.25 知床半島に流氷接岸(昨年より2日遅く)
   2.21 斜里の最低気温が−24.5℃に(今冬最低気温)
   3.25 オホーツク海沿岸の海関け宣言(流氷去る)
   4. 3 美術館前庭のクロッカス開花
      (長野からのクロッカス、昨年より2日早い開花)
   4. 7 北のアルプ美術館来館者14,000人突破
   5. 7 美術館北側新駐車場着工(6月上旬完成)

6周年を迎えて

  北のアルプ美術館館長 山崎 猛

 北のアルプ美術館が開館して、6月で6周年を迎える。新緑の季節になれば毎年、あの時の事が思い浮かぶ。
 「アルプ」の時代と云われた昭和32年から58年まで、この25年間は経済も人々の考え方も、また山登りの価値観も大きく変化した。豊かな物質文化の中で育った我々が、何か自然に対してエゴイスティックでなかったか、と痛感する。
 発行部数は少ないが、山の文芸誌と云われ、自然を愛した人達が「アルプ」で学び「アルプ」で育ったように思われる。そこから伝わってきたものは、精神的な安らぎと、自然を語れる心の余裕と、誠に謙虚な向かい合う態度であった。
 この知床で、この斜里の街に「アルプ」が良く似合うと云ってくれた方がいた。こんなに嬉しいことはない。入館者も14,000人を越えた。訪れた人々の心に何かが芽生えて、それが緑豊かな潤いのある未来につながってくれれば、と願っている。

■御寄贈ありがとうございました


▲シラカバ
〜幹から生えた小さな葉

  心より御礼申し上げます(順不同・敬称略)

安田信子/松田雄一/三木慶介/鈴木吾郎/石田二三夫/宮下啓三/小室新吉/大谷一良/土田秀司/加藤比呂志/森田秀子/辰濃和東/大洞正典/三輪克子/大木義久/小川隆史/山室眞二/廣瀬隆人/岩見禮花/小林恒雄/小林京子/荒賀憲雄/高橋良行/石田喜八/小笠原耕四郎/田村宏/内田康男/松沢節夫/小笠原輝昭/堀多恵子/津田清子/森川勇作/田中清光/尾崎喜八研究会/平凡社/凍原社/大阪芸大芸術学部文芸学科研究室/創文社

■今年は館内にてコンサート開催

 昨年、大好評だったフルートとハープによるアルプの夕べを、今年は館内の展示室にて開催いたします。アルプに囲まれて、清流に酔うひとときを再び−。


■「西常雄彫刻常設展示室」設置しました


▲尾崎喜八像/西 常雄(1958)

 昨年の6月より公開しております「西常雄彫刻常設展示室」は、多くの方々にご好評いただいております。展示室には、西常雄の代表的な作品の中から、アルプに関わりの深い人物を中心に、男の頭部像5点を展示しています。当館の「顔」ともなっている串田孫一像(1階玄関ホールに設置)も、同作家の作品です。

■「串田孫一集」く筑摩書房刊>


▲「串田孫一集」

 人生と自然への豊かな愛情と深い叡智−。小説、山行、博物、随想等からなる全8巻。編年順に作品を収め、著者の思索の軌跡が展望できる集成。当館でも販売中です。

美術館北側に新駐車場完成しました−

 以前より大型バスなどの大型車両の駐車につきましては、駐車スペースが手狭だったため、皆様に大変ご迷惑をおかけしておりました。
 この度、当館北側隣地(1,486平方メートル)に新駐車場が完成し、大型の車両も駐車できるようになりました。普通車両も、分散している駐車場と合わせて10台以上の駐車が可能となり、多くの皆様のご来場に対応できるようになりました。
新駐車場様には「知床の木」をテーマとした植樹帯も設け、ミズナラ、アカエゾマツ、かノラ、エゾヤマザタラ、イチイ(オンコ)、ツツジ等を植樹しました。毎朝、野鳥やエゾリスが訪れ、周辺の緑はとても賑やかです。ご来館の際には、館内だけでなく、どうぞ周辺の緑の中を散策してみて下さい。

感想文集

1997/9/20 素敵な美術館です。自然を愛する人達の心が伝わってきて、感動しています。次回は愛すべき仲間達と必ず訪れます。どうもありがとう。 M(ZAL)

8/2 透きとおった時間が流れていきました。『アルプ』終刊をおしみね記念の美術館をオープンした、と新聞を読み、いつかは−とおもいつつ、その日を実現。再訪したいです。 (S)

6/29 今日始めて来ました。場所がわかりにくくて、やめようかとも思ったけど何かにひかれてやっと見つけました。来て良かったです。
ピアノにそえられた手紙を読んだら涙がでてきました。とても優しい文章で、ピアノを囲む人々が目に浮かびます。
私にもそんな仲間がいるので、色んなこと思いだしました。
北海道にいるのはあと1週間、帰ったら仲間達にまっ先に会いに行こうと思います。(名古屋市 TA)

97/11/8 三度目の来館でした。親しい友人と一緒です。
山の魅力は実に奥が深いものですネ。ありがとうございます。(K)

8/9 飛行機の時間に大分あったので、昨日に引き続いてやって来ました。
私のベスト3は、吉積長春のウトロ港の額装と、ガラス工芸の宇吹の彩雲と、西さんの頭部の像です。吉積さんの作品のカタログを知床博物館で買いました。西さんの作品は、あれだけの人が一堂に会したら、さぞにぎやかだろうなと思ったことです。
また来ます。(U)

◆ご協力お願いします

 当館では「曽宮一念企画展(仮)」準備のため、曽宮一念氏の資料を探しております。著書、展覧会の図録など、関係資料の情報がありましたら、美術館までご連絡下さい。

入館者の記録・編集後記

編集後記◆おかげさまで6周年を迎えることができ、嬉しさでいっぱいです/西常雄彫刻常設展示室の設置、駐車場の整備が終了し、より多くの皆様に美術館で心地よい時を過ごしていただけるようになりました/事務室も改修し、大きな本棚が入りました/写真家・大森義彦さんのご冥福をお祈り申し上げます(S)

  No.6 1998年6月発行(年1回)
  編 集:山崎 猛/山崎 忍      発 行:北のアルプ美術館
  〒099−4114 北海道斜里郡斜里町朝日町11−2
  TEL O1522−3−4000/FAX3−4007

 

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