水越武さんが参加する講演とパネル
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水越 武 写真展『光と風』 この度の写真展は当館の念願でもありました。不可能と思いながらも水越さんにお願いをしたら、快くご理解を戴き実現しましたことに感謝申し上げます。 水越さんが今まで全国各地で数十回開催された写真展では最も規模の小さな会場であり、地方での開催であると思われるが、水越さんは地方も中央も文化・芸術の表現の場は同じであると語ってくれた。 1986年に出版されたモノクロの写真集『穂高』−光と風−を見た日の衝撃と感動が今も鮮明に思い出される。作家・井上靖(文化勲章受賞)序の言葉に「どの一枚にも凛々と鳴っているものがあった。紛れもない本当の登山者が、本当の穂高撮影者がここに居る。そんな思いであった。」と書かれていた。その後、多くの執筆と写真集を世に問い、写真展なども開催されている。道東の屈斜路に住を移して、地球を視野に活動し1993年に出された『HIMALAYA』は水越武の精神美学の高尚な響きを感じられた。この『穂高』と『HIMALAYA』の中から厳選した作品を展示出来た事は望外の喜びです。全国各地から訪れる皆様の心に感動を与えてくれる事でしょう。 水越さんの視線の先にはいつも「地球の環境」があり、今どうなっているのかを此のままで良いのかと問い続けている。近年、各地で多発している大規模な地震と火山の噴火などの災害は、地球は耐え切れず痙攣を起こしていると言っていた言葉が耳から離れない。 2010・初夏 北のアルプ美術館 館長 山崎 猛
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