水越武さんが参加する講演とパネル
ディスカッションがあります。
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水越武講演会「行動する写真家3人」

 1938年愛知県豊橋市生まれ。現在、北海道川上郡弟子屈町在住。27歳で田淵行男に師事し、写真を始める。その後フリーの写真家として、穂高など日本の山岳、日本列島の原生林、ヒマラヤ、北米・シベリアの森林、中南米・ボルネオ・アフリカの熱帯雨林を撮影する。

 1991年に写真集『日本の原生林』(岩波書店)で日本写真協会年度賞、1994年に写真集『HIMALAYA』(講談社)で講談社出版文化賞、1999年に写真集『森林列島』で土門拳賞、写真集『知床 残された原始』(岩波書店)で2008年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。最近の写真集は『わたしの山の博物誌』(2009年新潮社)、『熱帯の氷河』(2009年山と渓谷社)。写真展は「大地への想い」(東京都写真美術館、2007年)、「HIMALAYA BIANCO E NERO」(イタリア国立トリノ山岳博物館、2003年)など内外で多数開催。

現在は温暖化により後退する世界の氷河、地球をとりまく生態系など、環境問題をテーマとして撮影を続けている。

 

  水越 武 写真展『光と風』
  開催にあたり

 この度の写真展は当館の念願でもありました。不可能と思いながらも水越さんにお願いをしたら、快くご理解を戴き実現しましたことに感謝申し上げます。

 水越さんが今まで全国各地で数十回開催された写真展では最も規模の小さな会場であり、地方での開催であると思われるが、水越さんは地方も中央も文化・芸術の表現の場は同じであると語ってくれた。

 1986年に出版されたモノクロの写真集『穂高』−光と風−を見た日の衝撃と感動が今も鮮明に思い出される。作家・井上靖(文化勲章受賞)序の言葉に「どの一枚にも凛々と鳴っているものがあった。紛れもない本当の登山者が、本当の穂高撮影者がここに居る。そんな思いであった。」と書かれていた。その後、多くの執筆と写真集を世に問い、写真展なども開催されている。道東の屈斜路に住を移して、地球を視野に活動し1993年に出された『HIMALAYA』は水越武の精神美学の高尚な響きを感じられた。この『穂高』と『HIMALAYA』の中から厳選した作品を展示出来た事は望外の喜びです。全国各地から訪れる皆様の心に感動を与えてくれる事でしょう。

 水越さんの視線の先にはいつも「地球の環境」があり、今どうなっているのかを此のままで良いのかと問い続けている。近年、各地で多発している大規模な地震と火山の噴火などの災害は、地球は耐え切れず痙攣を起こしていると言っていた言葉が耳から離れない。

2010・初夏  北のアルプ美術館 館長 山崎 猛 

1975年 『槍・穂高』(山と渓谷社)
1976年 『白馬岳』(山と渓谷社)
1983年 『山の輪舞』(山と渓谷社)
1986年 『穂高 光と風』(グラフィック社)
    『日本アルプスの花』(講談社)
    『森林限界』(山と渓谷社)
1990年 『日本の原生林』(岩波書店)
1991年 『雷鳥 日本アルプスに生きる』(平凡社)
    『ブナVIRGIN FOREST』(講談社)
    『森物語』(世界文化社)
    『山からの贈りもの』(講談社)
1992年 『夜明け』(丸善)
1993年 『HIMALAYA』(講談社)
1994年 『森の色 春から夏』(朝日新聞社)
1995年 『熱帯雨林BORNEO』(講談社)
    『水物語』(DHC)
1996年 『森への旅』(小学館)
    『カムイの森』(北海道新聞社)
1998年 『森林列島』(岩波書店)
1999年 『樹海 夢,森に降りつむ』(世界文化社)
2001年 『熱帯雨林』(岩波書店)
2002年 『天然の蘭』(小学館)
2003年 『世界遺産屋久島多様性の回廊』(講談社)
2008年 『知床 残された原始』(岩波書店)
    『対馬 照葉樹林の四季』(長崎文献社)
2009年 『わたしの山の博物誌』(新潮社)
    『熱帯の氷河』(山と渓谷社)

■お問い合わせ先


〒099-4114 北海道斜里郡斜里町朝日町11-2
電話:0152-23-4000/FAX:0152-23-4007
E-mail:mail@alp-museum.org