「アルプ」とともに 大谷一良 |
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アルプ創刊号表紙1958・3 |
大谷一良氏 近景 |
アルプ300号表紙1983・2 |
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藝術に浸る 串田孫一 |
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大谷さんがどういう人物であるかを説明する必要は全くない。 直接會って話をしたことがなくとも、彼が創って来た諸作品を所有し、それと向かい合って自分の生命を静かに踊らせている人は、驚くほど多い。 大都会のごたごたした畫廊でも、うっかりすると息をとめて、氣に入った作品の前から離れられなくなった人はいるが、此處は北海道の斜里。しかもその開催の期間が約一年間。すっかり氣にいってしまった方は、夏に冬に、秋に春にと、幾ら欲張って出掛けても結構。 うっかり息を詰めて、苦しみのような氣分になれば、大海へと壙がる海邊の小徑を歩いて、これまでにない自分の心の中の歌を聴くのもよいであろう。或いは再び會場へと戻って、人間の心に巧みに語り掛ける術を心得ている山崎猛さんと、快い笑談を楽しむのも嬉しい時間であろう。 |
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